クリーニングコラム

ドライクリーニングの長所短所/自宅やコインランドリーでもできる?

ドライクリーニングの基礎知識/自宅の洗濯機や洗剤でのやり方も

クリーニング店では、よくドライクリーニングという看板を見かけますよね。

しかし、ドライクリーニングについてよく分かってない人も多いのではないでしょうか。

実際にクリーニング店でおこなわれるドライクリーニングと、自宅でおこなうドライクリーニングではやり方や仕組みが全く異なります。

このページでは、ドライクリーニングについて、以下のことがわかります。

このページでわかること

  • ドライクリーニングの仕組みやメリット・デメリット
  • 自宅でできるドライクリーニングのやり方
  • ドライクリーニングに適した衣類の素材

など、ドライクリーニングに関することを紹介していきます。

クリーニング店でおこなわれるドライクリーニングとは

ドライクリーニングとは

ドライクリーニングは1830年ごろフランスで開発された洗濯方法。かれこれ200年続けられていることから、信頼性の高い洗濯方法だということがわかります。

開発当時、ドライクリーニングは衣類を縮めず、色あせさせずに洗える画期的なものでした。

ドライというぐらいなので、クリーニングするときに水は使われません。

水の代わりに使われるのが石油系の有機溶剤。石油系の有機溶剤はクリーニング専用に開発されたものです。

ドライクリーニング使われる石油系の有機溶剤は、油分を溶解できる性質があるため、日常生活で衣類についた油汚れを落とすのに適しています。

衣類の汚れは人間の皮脂や飲食でついた油分など、油汚れが多くを占めていますよね。

そのためクリーニングで石油系の有機溶剤が使われることは、汚れの大半を落とすという意味でも理にかなっている洗浄方法ということになります。

石油系の有機溶剤は、衣類の特性や繊維の特徴などを研究して、改良に改良を重ねられて今に至っています。

クリーニングでせっかく汚れを落としても、型崩れしてしまった洋服は着たくないですよね。

ココがポイント

水で洗うと縮んだり、型崩れしてしまうような大切な衣類は、ドライクリーニングがおすすめです。

クリーニングに出せば、ご家庭で落としきれなかった油汚れもきれいに落としてくれますよ。

クリーニング店でドライクリーニングするメリット

ドライクリーニングのメリット

メリット1:油溶性の汚れが落ちやすい

クリーニング店でドライクリーニングするメリットの1つ目が、油溶性の汚れが落ちやすいことです。

ドライクリーニングには、皮脂、食べこぼしや化粧品など油溶性の汚れに強いという特徴があります。

油溶性汚れは非常に身近な汚れです。例えば、普通に洋服を着ていても皮脂汚れは少しずつ蓄積されていきます。

女性は気を付けていても、何かの拍子でメイクが服に付いてしまうこともあるでしょう。また、小さなお子さんがいる家庭などは、特に食べこぼしが多いと考えられます。

このような油溶性汚れは、自宅の洗濯機ではきれいさっぱり落とし切るのが困難です。

そこで便利なのがドライクリーニング。

一般的な洗濯では水を使いますが、ドライクリーニングでは水の代わりに専用の有機溶剤を使用します。

この有機溶剤に、油汚れを分解するはたらきがあるのです。

油汚れは水に溶けにくく、それが家庭での汚れ落としが難しい原因になっています。有機溶剤自体も油溶性の汚れと同じく、水に溶けにくいものです。

油溶性の汚れも有機溶剤も、水に溶けにくいものの、油は溶けやすいという特徴があるため、しつこい油汚れもきれいに落ちます。

メリット2:生地が傷まない

クリーニング店でドライクリーニングするメリットの2つ目が、生地が傷まないことです。

汚れを落としたいとは考えつつも、洗うことによって生地が傷んでいかないか心配という方もいるでしょう。

ドライクリーニングは、生地が傷まないという点も大きなメリットです。

先述した通り、ドライクリーニングは有機溶剤の力で汚れを落とすクリーニング方法。

洗濯においては「もみ洗い」や「押し洗い」など、衣類にある程度のチカラを加えて汚れを落とす方法もあります。

しかし、ドライクリーニングは物理的な力を加えず溶剤のはたらきで汚れを落とすため、衣類に負担がかかりにくく生地が傷みません。

衣類の中には水で洗うと、伸びたり縮んだり色落ちなどが発生するなど、デリケートな素材を使ったものもあります。

具体的には、ウール、カシミヤ、シルクなどの高級な生地がそうです。

このような生地は自宅での水洗いは向きませんが、ドライクリーニングなら大丈夫。衣類の伸び縮みが起きないので、型崩れの心配がありません。

また、色落ちによる風合いの変化なども発生せず、そのままの状態をキープできます。

長く愛用したいお気に入りの洋服の洗濯に、ドライクリーニングはぴったりです。

メリット3:料金が安い

クリーニング店でドライクリーニングするメリットの3つ目が、クリーニング料金が安く済むことです。

安さの大きな理由は、クリーンニングのコストを抑えられるから。

ドライクリーニングに使用する石油系の有機溶剤は、ある程度の使い回しがききます。そのため、原材料の経費を節約できる分、料金も安くなるという事情があります。

また、ドライクリーニングは有機溶剤のはたらきで汚れを分解して汚れを落とす仕組みなので、水洗いクリーニングに比べて手間がかからないことも1つ。

手間がかからないので人件費などを節約でき、それが料金の安さにもつながっています。

クリーニングは自宅の洗濯よりは費用が高くなりやすいため、出すのをためらう方もいるかもしれません。

しかし、ドライクリーニングであれば、比較的安い費用で自宅の洗濯より衣類をきれいな状態にできます。

クリーニング店でドライクリーニングするデメリット

ドライクリーニングのデメリット

デメリット1:水溶性の汚れが落ちにくい

クリーニング店でドライクリーニングするデメリットの1つ目が、水溶性の汚れを落としにくいことです。

前に述べた通り、ドライクリーニングに使用する有機溶剤は、それ自体が油溶性です。

油溶性と水溶性は相性が悪いため、ドライクリーニングは水溶性の汚れ落としに向きません。

水溶性の汚れとして代表的なのは汗のシミ。

また、飲食物の汚れの中でも、砂糖・塩・しょう油・果汁・肉汁・アルコールなどの汚れは水溶性です。

食べこぼしの汚れはドライクリーニングで落ちるものも多いですが、水溶性に当たる種類もあるので見極めが大切です。

また、黄ばみ汚れもドライクリーニングではほとんど落ちません。

黄ばみの原因は皮脂やたんぱく質の汚れ、アンモニアの汚れ、塩分などさまざまだからです。

ココに注意

ドライクリーニングでは皮脂汚れは落とせますが、その他水溶性の汚れまではきれいにできないので、結果的に黄ばみが残ってしまう可能性があります。

ドライクリーニングに出す前に、落としたい汚れが油溶性・水溶性どちらの性質なのか、確認することが重要です。

デメリット2:ニオイが残るケースがある

クリーニング店でドライクリーニングするデメリット2つ目が、ニオイが残るケースがあることです。

ニオイの原因としてまず考えられるのは、ドライクリーニングに使用している石油系の有機溶剤。

石油系の有機溶剤は石油特有のニオイがあり、通常はクリーニングの工程で乾燥により揮発されます。

しかし、乾燥の際にニオイが揮発しきらずに残ってしまうケースもあります。

有機溶剤は使用した後にフィルターで汚れやニオイをろ過しますが、ろ過が不十分だと溶剤にニオイが残り、その後クリーニングした衣類に移ります。

もう1つ、ニオイの原因として考えられるのは、落ち切らなかった汗や皮脂の汚れです。

ドライクリーニングでは水溶性の汚れは落とせないため、汗や皮脂の汚れが残ってニオイを発するケースがあります。

また、落としきれなかった皮脂汚れなども、ニオイの元となる可能性もゼロではありません。

ココがポイント

衣替えシーズンでクリーニングに出すときは、ドライクリーニングと水洗いクリーニングの両方をやったほうが、大切な衣類を長期保管するには最適です。

 

ドライクリーニングを自宅でする方法

ドライクリーニングを自宅でする方法

自宅でもドライクリーニングができる

ドライクリーニングといえば、通常はプロが行う作業です。しかし、実は自宅でドライクリーニングができることをご存知でしょうか?

自宅でドライクリーニングができれば、クリーニングに出す手間が省け、時間もお金も節約できますよね。

この章では、自宅でドライクリーニングをする方法についてご紹介します。

自宅でドライクリーニングできる衣類の素材、準備するものなど、家庭でのドライクリーニングについて詳しく知りたい方はぜひ読み進めてください。

自宅でドライクリーニングできる素材とできない素材

まずは自宅でドライクリーニングできる素材とできない素材を確認しておきましょう。

自宅ドライクリーニングできない素材

  • 皮革
  • 毛皮
  • キュプラ(再生繊維)
  • 半合成繊維(アセートなど)
  • 加工もの(光沢・しわなど)

自宅ドライクリーニングできる素材

  • 綿(コットン)
  • 麻(リネン)
  • ナイロン
  • ポリエステル(合成繊維)
  • ウール
  • シルク
  • レーヨン
  • デニム
  • 2種類の混合素材

デリケート素材も含め、衣類のほとんどは自宅で洗えることがわかると思います。

ちなみに2種類の混合素材というは、例えば「綿+ポリエステル」など、2つの素材でできた衣類のこと。

身近な「綿+ポリエステル」の衣類だと、Tシャツ・ポロシャツ・パーカーなど。流通している衣類だと、素材100%の衣類のほうが少ないですよね。

自宅洗いできる素材の中には、洗濯表示で「家庭洗濯NG」のマークがついている衣類もあります。

家庭洗濯NGマーク

しかし、上記で掲載している素材なら大丈夫。手順さえ間違えなければ、安心して自宅洗いが可能です。

ただ縮みや色あせを防ぐには、洗濯する手順に加えてちょっとしたひと手間も必要なので、このあと詳しくお伝えします。

自宅のドライクリーニングで準備するもの

自宅で衣類をドライクリーニングしたい場合、いくつか準備するものがあります。

準備するもの

  • 洗剤(弱アルカリ性or中性)
  • 洗濯ネット
  • たらい(手洗いの場合)
  • ヘアゴム

準備するもの1:洗剤(弱アルカリ性or中性)

ドライクリーニングする素材によって、使う洗剤の主成分は異なります。

弱アルカリ性洗剤で洗う素材

綿(コットン)、ポリエステル(合成繊維)

市販の弱アルカリ性洗剤だと、アリエール・トップ・アタックなどが有名商品。

弱アルカリ性洗剤の特長は洗浄力が強いこと。

一度洗っても落ちなかった頑固な油汚れは、液体洗剤よりも洗浄力の高い粉末洗剤を使うといいですよ。

中性洗剤で洗う素材

麻(リネン)、ナイロン、ウール、シルク、レーヨン、デニム、2種類の混合素材

市販の中性洗剤だと、アタックZERO・エマール・さらさなど。

中性洗剤はおおむねおしゃれ着用洗剤としてカテゴライズされています。

中性洗剤の特長は素材や肌にやさしいこと。

蛍光剤・漂白剤・着色料は不使用の商品を選ぶようにしましょう。

準備するもの2:洗濯ネット

洗濯機でドライクリーニングする場合は、素材保護のため洗濯ネットを使います。

ちなみに衣類の素材別では「洗濯機」と「手洗い」の手段分けは以下の通りになります。

洗濯機

綿(コットン)、ナイロン、ポリエステル(合成繊維)

衣類は無造作に洗濯ネットに放り込まないようにしましょう。

きちんと折りたたんで洗濯ネットに入れたほうが、シワができにくく衣類へのダメージを少なくできるからです。

自宅のドライクリーニングで洗濯ネットは必需品。すすぎや脱水の工程でも、洗濯ネットを使っておこないます。

準備するもの3:たらい(手洗いの場合)

洗濯機よりも手洗いが望ましい衣類は、たらいの準備も必要です。

手洗いが望ましい素材は以下の通り。

手洗い

麻(リネン)、ウール、シルク、レーヨン、デニム、2種類の混合素材

デリケートな素材は手洗いが望ましいことがわかりますよね。

たらいでの洗い方はいろいろありますが、デリケート素材では押し洗いがベスト。

押し洗いの方法は、たらいの中の衣類を押し、浮き上がってきたら再び押す動きを繰り返します。

たらいを使った手洗いには、もみ洗いやつまみ洗いなど、素材をこすりあわせて汚れを落とす方法もあります。

しかし、デリケートな素材の手洗いは、押し洗いでやさしく汚れを落とすのが基本です。

準備するもの4:ヘアゴム

洗浄・すすぎ・脱水など、洗濯機を使う時は洗濯ネットを使用します。

その際、洗濯ネットのサイズは衣類がきっちり収まるサイズがベストです。

ただジャストフィットな洗濯ネットがない場合、ヘアゴムで余計な部分を縛っておくと、衣類のダメージをケアできます。

特にポリエステルやウールは、摩耗による静電気の影響で毛玉になりやすい素材。

普段の洗濯で洗濯ネットを使うときも、余計な部分をヘアゴムで縛って洗濯機に入れると、ダメージを軽減できます。

ドライクリーニングはコインランドリーできる?

ドライクリーニングはコインランドリーできる?

コインランドリーでドライクリーニングはできない

自宅でのドライクリーニングは時間も手間もかかるので、コインランドリーを利用できないかと考える方もいらっしゃると思います。

しかし、ほとんどのコインランドリーでは、ドライクリーニングのサービスおこなっていません。

というのも、ドライクリーニングは一般的な「洗濯機」ではなく、「ドライクリーニング機」を使っておこなわれるからです。

一般的なコインランドリーにドライクリーニング機を設置されているところはほぼありません。

またドライクリーニング機が設置されているコインランドリーでも、プロが手がけるクリーニングと同じような仕上がりにはなりません。

コインランドリーにあるドライクリーニング機では、衣類や汚れに応じて適切な溶剤を使い分けたり、洗浄前に必要なシミ抜きをできないからです。

クリーニングには意外と人の手がかかっているもの。

衣類をきれいにドライクリーニングしたい場合は、クリーニング店に出すのがおすすめです。

楽にドライクリーニングするなら宅配クリーニングがおすすめ

手間暇かけず、楽にきれいにドライクリーニングするなら、クリーニング店に出すのがイチバンです。

クリーニング店のドライクリーニングなら、衣類や汚れに応じて適切な溶剤が使い分けられます。

また洗浄前に必要なシミ抜きがおこなわれ、洗浄が終われば乾燥からアイロンがけまで、すべての工程をプロが手がけます。

疲れているときや天気が悪い日など、衣類を抱えてクリーニング店に出向くのが億劫なことがありますよね。

しかし、宅配クリーニングを利用すれば、配送業者さんが自宅まで来て衣類の集荷をおこないます。

私たちがやることといえば、スマホから宅配クリーニングの注文をして、衣類をダンボールに詰めて集荷を待つだけ。

しかも宅配クリーニングは出すときだけではなく、仕上がったあとも自宅まで届けてもらえます。

ココがおすすめ

疲れやお天気に関係なく、予定通りにクリーニングを済ませることができるのでとっても楽チンですよ♪

宅配クリーニングを注文できる会社はたくさんありますが、初めての宅配クリーニングならリネットがおすすめです。

リネットは品質の高いドライクリーニングに加えて、シミ抜きや毛玉取りも無料でやってくれるなど、宅配クリーニング業界の中でもサービス内容がトップクラスに豊富だからです。

衣類1点から送料無料で注文できるのも、宅配クリーニングのお試しとしては最適ですよね。

気になる料金も一般的な店舗とそんなに変わらないので、楽にドライクリーニングを済ませたい方は、いちど気軽に試してみてはいかがでしょうか。

リネットのクリーニング料金をチェック!

 

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ドライクリーニングについてのまとめ

ドライクリーニングについてのまとめ

さいごにクリーニング店でおこなうドライクリーニングのメリット・デメリット、自宅でドライクリーニングできる衣類とできない衣類などについてまとめておきます。

ドライクリーニングのメリット

  • 油溶性の汚れが落ちやすい
  • 生地が傷まない
  • 料金が安い

ドライクリーニングのデメリット

  • 水溶性の汚れが落ちにくい
  • ニオイが残ることがある

自宅ドライクリーニングできる衣類

  • 綿(コットン)
  • 麻(リネン)
  • ナイロン
  • ポリエステル(合成繊維)
  • ウール
  • シルク
  • レーヨン
  • デニム
  • 2種類の混合素材

自宅ドライクリーニングできない衣類

  • 皮革
  • 毛皮
  • キュプラ(再生繊維)
  • 半合成繊維(アセートなど)
  • 加工もの(光沢・しわなど)

自宅のドライクリーニングで準備するもの

  • 洗剤(弱アルカリ性or中性)
  • 洗濯ネット
  • たらい(手洗いの場合)
  • ヘアゴム

以上、ドライクリーニングについてお伝えしました。

ドライクリーニングのメリットとデメリットがわかれば、自分で注文しなきゃいけない宅配クリーニングでも、適切な洗い方を指定できますよね。

時間のある方は、自宅でできるドライクリーニングにもチャレンジすると、クリーニング代の節約にもつながりますよ。

 

 

 

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